内服薬の中には、舌下錠という種類があります。
今回はこの舌下錠にスポットをあててみたいと思います。
舌下錠は舌の下に入れて使用します。
有効成分が口腔粘膜から吸収されることで効果を発揮します。小腸や肝臓などで分解、代謝を受けずに効果がでるため、服用してから体内に作用するまでの時間が非常に早いという長所があります。
当院で、よく処方される舌下錠の代表格がシクレスト舌下錠です。
シクレスト舌下錠の有効成分であるアセナピンマレイン酸塩は、経口投与では肝臓などでの分解、代謝が大きく効果が落ちてしまうという性質がありました。そこで、フリーズドライ製法を応用した技術で、口腔粘膜から速やかに吸収される舌下錠として開発された経緯があります。
また、舌下投与後の10分未満の飲水は、効果を低下させてしまう可能性があります。投与後10分間は水などを飲んだり、食べ物を食べたりしないことも大切です。
10分後からは水などの飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりすることができますが、ピリピリ感や苦みが気になるときは、歯みがき、マウスウォッシュを利用するのもおすすめです。
補足です。シクレストの名前の由来は、SY(symbiosis:共生)+REST(restituo:呼び戻す、元に戻す)→SYCREST(元の社会生活に戻る)です。